アナリストという肩書きは、比較的自由に名乗ることができます。名乗るために、必要な資格も条件もありません。
株やお金に関する週刊誌、メディアを見れば、アナリストを名乗っている方はたくさんいらっしゃいます。
アナリスト以外にもマーケットレポーター、キャスターなど様々な肩書きがあるようです。もちろんアナリストとして目指すべき、尊敬すべきキャリアや知識を有した専門家の方をメディアでお見かけすることも多くありますが、「アナリスト」という肩書きについて、疑問を感じることもあります。
今回は、本来の「アナリストのレポート」がどのようなレポートを指すのか、皆様の誤解を解きたいと思いました。是非、お読みください。
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単なる情報提供はアナリストレポートではない
週刊誌やメディアなどを見ていると、推奨銘柄として企業情報が掲載されていることがありますよね。多くの場合、執筆者の肩書きは「アナリスト」や「エコノミスト」などとなっています。
あくまで、マーケットに与える影響などを考慮して、各種コンプライアンスを遵守する必要がある情報ではあります。
したがって、広義にはアナリストレポートに該当する可能性もあります(すみません。定かではありません。勉強します)。
ただ、これらは全て、単なる情報提供にすぎず、本来のアナリストレポートではありません。
アナリストレポートの定義
日本証券業協会の定義では、以下の通り定められています。
(定 義)
第 2 条 1 アナリスト・レポート 多数の投資者に対する情報提供を目的とした資料で、個別企業の分析、評価等 が記載された資料をいう。
東京証券取引所が発行する資料の中には、以下のような内容が記載されています。
アナリスト・レポートの 内容は、対象としている企業の業績予想(今期・来期等)や将来の見通し、目標株価、株価レーティン グ(売り・中立・買いなど)が中心となります。
(狭義)に本来のアナリストレポートを指す場合、
- 投資判断(強い買推奨、買推奨、中立、売推奨、強い売推奨など)
- 目標株価
- 業績予想
を示したレポートであると、認識しています。そして、各アナリストの業績予想等を集計して、市場のコンセンサス(市場予想)が形成されます。
アナリストレポートの判断に責任を持つシニアアナリスト
アナリストレポートを執筆する際の分析や調査は一般的に数名のチームで行われますが、そのレポートの内容に責任を持つのが、シニアアナリストと呼ばれるポジションです。
個人的な意見ではありますが、企業の投資判断や業績予想にを責任を持ち、マーケットに示し、コンセンサスを示すシニアアナリストこそ、アナリストの仕事の醍醐味であると思います。
マーケットに対して、自分の判断をクリエイティブに表現できるなんて、素敵なお仕事だと思いませんか?
いずれのレポートにおいても法令遵守は当然の義務
いずれのレポートにおいてもコンプライアンス等の遵守、マーケットに携わる人間としての倫理感が重要です。
前述した通り、一般的にアナリストレポートとは、企業の投資判断や業績予想、目標株価等を含むレポートをさします。
ただし、これらの情報を含まない情報レポートであったとしても、マーケット等への影響を考慮して、利益相反や競業禁止、フロントランニング禁止など各種コンプライアンスを遵守しなければいけないという点だけは、念のため記載しておきたいと思います。
企業に属さずに、マーケットの情報提供、投資判断を付与する行為などが問題になったことも多くあります。
アナリストレポートの入手方法
また次回の記事で改めて執筆しますが、一般的に情報提供レポートは、比較的誰もが手に入れることができます。
各情報提供企業のHPやマーケット関係の週刊誌、個人事業主のように執筆されている方もいるようです。
一方、投資判断を付与したアナリストレポートが不特定多数の人が自由に見ることができる状態で公開されていることはあまりないと思います。
証券口座を持つ顧客に限定したり、法人顧客に限定したり、している企業が多いと思います。
ただ、証券口座を開設すれば無料で閲覧できる証券会社がほとんどですので、証券会社に口座を開設すれば、入手できますという回答になります(証券会社にご確認ください)。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。