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Aさんのスペック
- 高卒の平社員45歳
- 一部上場企業(従業員約1,000名)の経営管理部に所属
- 10年かけて証券アナリスト資格を取得
- その1年後に、課長職に昇進
- 地味だが真面目
- 仕事は決してできるタイプではない
真面目だが仕事ができるタイプではないAさん
Aさんは、決して仕事ができるタイプではなく、頭が良い印象でもありません。
でも、とにかく真面目で、親切です。
Aさんは、企業の経営管理部門に所属されており、予算の管理やIR活動などの業務を担当されています。
Aさんとは、アナリスト協会の懇親会で知り合い、交流が始まりました。
10年かけてアナリスト資格を取得
彼がアナリスト資格の勉強を始めたのは、30歳前半の頃だったそうです。
1次試験の3科目をギリギリ、期限内に取得できたものの、2次試験に連続して落ち続け、1次試験の通信教育から再び挑戦したとのことです。
しかも、資格の予備校にまで通っていたそうです。「アナリスト資格にかけたお金」プライスレス。
私は、彼がアナリスト資格を取得する意義はないと思った
私は、10年という相応の時間と費用が必要であるならば、証券アナリスト資格を取得する意義はないと考えていました。
失礼な表現ではありますが、10年かけなければ、アナリスト資格を取得できないのであれば、取得したとしてもその利用価値を生かすことができないと考えていたからです。
でも、会社や本人にとって、その価値はとても大きいものでした。
私も、非常に考えさせられることが大きかったので、是非、紹介したいと思います。
一発合格したあなたより10年かけて取得したAさんは偉いと思う
私は、何故か、彼が課長に昇級した際の、彼の会社のお祝いの会にお誘いいただき、参加しました。
その席には、彼の上司である部長級の方がいらっしゃいましたが、
「一発合格したあなたより10年かけて取得したAさんは偉いと思う」
とそう言ったのです。
私は、その言葉に100%同意することはできませんが、とても衝撃的な言葉でした。
何事も、できる限り最短で最高の結果を残すことがベストであると考えていたからです。
でも、その言葉で、気がつきました。
長い人生、必ずしもうまくいくことばかりではない。
ビジネスにおいても、必ずうまくいかない時期、スランプの時期が訪れるはずです。
そんな時に、諦めずに10年、努力し続けることができるか、そのことを深く問われた気がしました。
Aさんが得た自信
「高卒であることに劣等感を感じていたが、アナリスト資格を取得できて自信が持てた」
その言葉にも衝撃を受けました。
アナリストの知識を経営企画に活かし始めたAさん
Aさんは、アナリスト資格取得後、取得にかかる勉強で学んだことを、経営企画の業務に活かし始めました。
わざわざ、「同業他社のβ値を教えて欲しい」などと、セルサイドアナリストの私に電話がかかってくるようになりました。
私は、彼の企業を担当しているわけではありませんが。
日頃、担当企業のIRの方にはお世話になっているので、親切に対応していました。
すると、彼の企業のIR資料が、時間を追うごとに改善され、非常に良いものとなって言ったのです。
私は素直にとても嬉しかったです。
失敗を乗り越えて得ること
私は、自分の人生においても、この「証券アナリスト資格に独学で簡単に合格する方法」においても、
いかに「効率的かつ効果的」に成果をあげるかということを重要視して伝えてきました。
でも、人の価値は、失敗した時や困難に陥った時にこそ、見えてくるのかもしれません。
また、アナリスト資格を取得する、その意義は、人それぞれです。
専門知識を身につけ、専門性を高めること、キャリアチェンジなどはもちろん、企業内での間接的な評価にもつながるのかもしれません。
もし仮に、試験に不合格になってしまった場合でも、
今一度、「何故、資格を取得するのか」を考え、再び挑戦するときめたならば、それは、人生においてとても重要な価値となるように思いました。
またAさんがアナリスト資格を取得されたお話は、私の人生観を変えてくれるとても大切な出会いでした。